【恐怖】高額賠償をネタに揺する自転車の当たり屋が増殖中
偶然の事故を装って、賠償金をゆすろうとする「当たり屋」。最近では、自転車ブームの拡大に伴い、自転車を標的にした当たり屋も増加しているのをご存知ですか。
今回は、自転車の当たり屋の驚くべき手口や、被害に遭わないための対処法を紹介します。
◆なぜ、自転車目当ての当たり屋が増えているのか?
なぜ自転車が標的にされるようになったかというと、最近、自動車は運転時の映像を記録するドライブレコーダーの普及が進み、彼らの「演技」が明らかにされるようになったからと言われています。また、健康維持や環境保護意識から、通勤・通学に自転車を利用する人が増えたことも背景に挙げられます。
自転車事故の大半は、曲がり角での出会いがしらでの衝突。そのため、自転車目当ての当たり屋は、この衝突を期待して事故を装います。
最近増えているのは、スマホを見ながらの「ながら運転」を装った手口。法律の改正で、スマホを見ながらや音楽を聴きながらの自転車運転は、道路交通法上の違反行為になったので、当たり屋の行為を訴えようにも、運転者に非があるのは明らか。また、こういうながら運転の自転車はスピードもそれほど出ていないので、当たり屋自身の怪我リスクも低くなります。そのため、かっこうの餌食とされているのです。
◆自転車を狙った当たり屋の手口!
【事例1】スマホを見ながらの「ながら運転」を狙った当たり屋の手口
当たり屋は、「被害者役」と「目撃者役」の2名で行動するのが主流です。スマホを見ながら運転している自転車に向かって被害者役がわざとぶつかっていき、大げさに痛がったり、地面に転がったりします。運転者はスマホに夢中で、当たり屋がわざと当たってきたかどうかなんてことには注意を払っていません。さらに目撃者役から「あなた、スマホを見ながら運転していたじゃないですか!」などと指摘されれば、警察や保険会社を呼んだところで、運転者の言い分に説得力は皆無です。
【事例2】自転車保険無加入を狙った狙った当たり屋の手口
最近、自転車事故でも高額の賠償を求められるのをご存知ですか。先ごろは、小学生の運転する自転車が事故を起こしたことで、その親に数千万円もの高額賠償を求める判決が下り、世間を驚かせました。
自転車事故を補償する保険はだんだん認知が進んでいますが、強制加入が求められる自動車とちがい、自主的に加入している人はまだごく一部でしょう。そうした状況を狙った、当たり屋の手口も増えています。
当たり屋は、自転車に向かってわざとぶつかり、「今ここで治療費を払えば、問題を大きくしない」などと示談を求めて、運転者をゆするのです。運転者は、おかしいと思いつつも、ニュースなどで目にした高額賠償裁判の事例などが頭をよぎり、当たり屋に言われるままに示談金を支払ってしまうのです。
◆被害にあわないための対策とまとめ
では、こうした当たり屋の被害に遭わないためにはどうしたらいいのでしょうか。
(1) スマホを見ながら、音楽を聴きながらなどの「ながら運転」はしない
まずは、自ら当たり屋の餌食になるような行為は控え、自衛しましょう。また、こうした行為は当たり屋の被害には遭わずとも、違反行為になりますので取締りに遭えば罰則規定が適用されます。
また、夜間の無灯火運転も、事故が起きた場合はさらに過失を追及される要因になりますので、きちんとライトを点灯して運転しましょう。
(2) 自動車保険に加入する
自転車であっても、スピードを出しての運転であれば十分な殺傷能力があります。「万が一」に備えて、保険には加入しておきましょう。
(3) 交通事故が起きたら、必ず警察に通報する
もし自分に非がある「ながら運転」だったとしても、事故が起きたら警察に通報しましょう。それが道路交通法上の義務であることに加えて、相手が当たり屋の常習犯であれば、警察の力で自らの身を守ることにもつながるのです。